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中期経営計画

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中期経営計画2027 当社は、2025年度を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2027」を策定しております

日本社会は大きな転換期を迎え、建設業界においても、働き手不足や建設コストの上昇など、多くの課題に直面しております。こうした激動の時代において、私たち日本リーテックグループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するために、10 年後に目指す姿「NR Vision 2035」を定め、その実現に向けた施策に取り組んでいくことといたしました。

「NR 中期経営計画 2027」は、「NR Vision 2035」の実現に向けた第1ステップとなる3ヶ年と位置付けております。私たち日本リーテックグループの原点である「普遍的な価値」(安全第一、品質の維持・向上、技術の研鑽、コンプライアンス)を磨き抜き、「収益力の向上」、「人財確保・エンゲージメント向上」、「DXや技術開発による生産性向上」、「カーボンニュートラルとレジリエンス強化による持続可能な社会への貢献」を柱とした事業戦略、加えて、これら施策を加速させるための財務戦略と投資戦略を効果的かつ着実に実行してまいります。

そして、プライム市場上場企業として相応しいガバナンスのもと、資本コストや株価を意識した経営を推進し、すべてのステークホルダーから信頼され、選ばれる企業を目指してまいります。

経営戦略

  1. Ⅰ-1.普遍的価値

    当社グループは、「安全第一」「品質の維持・向上」「技術の研鑽」「コンプライアンス」を経営の原点とし、 「NR 中期経営計画 2027」の達成に向けて取り組んでいく。

    Ⅰ-2.磨き抜くべき普遍的価値

    1.安全第一
     当社グループは、安全を経営の最重要事項と捉え、役員をはじめ、全従業員が安全衛生水準の向上に取り組み、労働災害および重大事故ゼロを目指している。安全で安心して働ける職場環境の実現には、協力会社と一体となり、工事に携わる全従事員への安全教育の充実が必要である。リスクアセスメントを強化し、組織全体で安全を最優先する文化を創りあげ、一人ひとりが責任感を持って安全活動に取り組める体制を構築していく。
    <重点実施項目>
    【 安全第一 】
    ①-1 安全は経営の根幹であり、いかなるときでも安全を最優先する風土の確立
    【 安全マネジメントの実践 】
    ②-1 階層別教育の実施と安全マネジメントの定着
    ②-2 出席者の能動的な考動による事故防止会議の活性化
    ②-3 施工計画を作業段階で実践するリスクマネジメントのレベルアップ
    ②-4 グループ会社・協力会社の安全衛生水準の向上
    【 安全のレベルアップ 】
    ③-1 本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る
    ③-2 デジタル技術を活用し、安全をサポートする
    ③-3 安全の基盤作りとなる心理的安全性が確保された職場環境・現場環境を構築

    2.品質の維持・向上
     「品質の維持・向上」は、当社グループの永遠のテーマであり、工事の品質、業務の品質、サービスの品質の3つの重点項目に注力する。具体的には、施工精度、設計図書との適合性、厳格な工程管理を実施することで品質を確保していく。さらに、顧客の要望への対応や技術提案などの付加価値の提供、施工技術の向上、厳格な品質管理、安全意識の向上など、常に最高水準の品質を目指し、不断の努力を続けていく。
    <重点実施項目>
    ① 工事品質の維持・向上
    ② 業務品質の維持・向上
    ③ サービス品質の維持・向上
    ②-2 出席者の能動的な考動による事故防止会議の活性化

    3.技術の研鑽
     従業員一人ひとりが技術力向上に励み、安全・安心で持続可能な社会基盤を築くことで、持続的な成長と社会貢献を目指していく。
     プロジェクト管理能力、専門技術力、コミュニケーション能力の向上、そして人財育成の強化を柱に、技術の研鑽に努めていく。多様な研修や資格取得支援、OJTなどを推進し従業員一人ひとりがプロフェッショナル意識を高め、技術力と人間力を兼ね備えた人財へと成長することで、顧客の期待を超えるサービスを提供し、一層の信頼を獲得していく。
    <重点実施項目>
    ① プロジェクト管理能力の向上
    ② 専門技術力の向上
    ③ 人財育成の強化

    4.コンプライアンス
     コンプライアンスの維持・強化は、継続的で不断の努力が必要であり、働きがいのある心理的安全性の高い職場を実現することにつながることを深く認識し、従業員一人ひとりが計画的に取り組む。具体的には、コンプライアンス意識醸成の「態勢」、社内ルールや法令等の本質を追求する「知識習得」、コンプライアンスに繋がる行為や振舞いを実践する「行動促進」の3つの推進により、コンプライアンスの維持・強化を図り、行動指針に従った社会の期待に応える経営を実現する。
    <重点実施項目>
    【 態勢 】
     ① 社会の期待に応えるコンプライアンス意識醸成の更なる向上
    【 知識習得 】
     ② コンプライアンスの本質を追求し、理解する従業員教育
    【 行動促進 】
     ③ コンプライアンスに繋がる能動的な行動の実践

    Ⅱ-1.事業戦略

    1.収益力の向上
    (1)既存事業の収益力向上・深度化戦略
     当社グループの持続的成長を確実なものとするため、既存事業の収益力を強化し、事業基盤を一層厚くする。今後の市場動向を的確に捉え、成長分野への経営資源集中を図るとともに、生産性の向上を追求し、収益力の強化・深度化を力強く推進する。
    <重点実施項目>
    ① 売上高・営業利益率の向上
    ② 市場動向を見据えた事業ポートフォリオの構築
    ③ 原価管理のレベルアップと意識向上
    ④ 生産性向上とグループ会社・協力会社との連携強化による施工力確保
    ⑤ 既存事業の拡大・深度化による事業基盤の強化

    (2)多角化戦略
     当社グループには、鉄道、道路、送電線、各種施設の電気・通信工事等において、それぞれに専門性の高いコア技術やノウハウがあり、これらを融合そして活用した総合力により、新たな社会ニーズや課題の解決に貢献していく。時代の変化をチャンスと捉え、既存事業の周辺領域への進出と未来に向けた価値創造事業への参画を通じて収益源の多角化を図り、新たな成長ストーリーを構築する。
    <重点実施項目>
    ① 主要顧客が進める次世代構想へ参画
    ② 大量電力消費施設の電気設備関連工事へ参画
    ③ ストック型ビジネス(設計・施工・保守)の強化
    ④ 海外鉄道事業に対する技術支援

    (3)グループ会社戦略
     グループ各社の強みや専門性を活かした最適な事業体制を構築することで事業基盤と収益力の強化を推進する。また、各社の独立性を保ちつつ、人事交流やコミュニケーションの活性化を推進し、グループ力の底上げを目指す。
    <重点実施項目>
    ① 事業基盤・収益力強化の支援
    ② 研修や人事交流を通じた人財育成とグループ力強化

    2.人財確保・エンゲージメント向上
    (1)リクルート戦略
     従来の価値観に縛られない採用活動と当社グループで働きたいという強い動機付けとなる施策によりブランド力向上を図ることで、将来の当社グループを担う技術者を獲得し、組織の活性化と成長を実現する。
    <重点実施項目>
    ① 新たな採用方式の展開
    ② ブランド力の訴求
    ③ グループ会社・協力会社への支援

    (2)キャリアパス戦略
     従業員が誇りを持って働き、成長を実感しながら自己実現できるよう、明確なキャリアパスを提示する。そのうえで、従業員が自らの価値を自覚・理解し、キャリア形成に意欲的に取り組むことができる仕組みを構築し、個の能力の最大化を図る。
    <重点実施項目>
    ① パーパスの浸透
    ② キャリア設計制度の整備
    ③ 多彩な教育体系の整備
    ④ 管理職教育の強化

    (3)多能化戦略
     従業員一人ひとりのキャリア目標に応じた多様な職務経験の機会を提供し、専門性を高めながら領域を広げるための能力開発を支援することで、従業員の自己成長を促進する。その成長により個々の能力を最大限に引き出し、互いに作用し合うことで組織全体の総合力を高め、収益力強化につなげていく。
    <重点実施項目>
    ① 社内人財の流動化による人財育成
    ② 知識・スキルの深度化およびリテラシーの向上
    ③ 多能化インセンティブ

    (4)働きがい・働きやすさ向上戦略
     従業員のキャリア自律を促すとともに成長支援に重点を置き、従業員一人ひとりが安心して仕事に取り組むことができ、成長できる職場風土を築いていく。
    <重点実施項目>
    ① 継続的な処遇改善
    ② チャレンジを評価する風土醸成
    ③ 心理的安全性の高い職場づくり
    ④ ワークライフバランスと健康促進

    3.DXや技術開発による生産性向上
    (1)DX戦略
     工事施工に係る業務から本店・支店における管理部門の業務まで、グループ会社を含む全ての業務にDXを推進していく。
    DX推進体制の強化と当社グループ全従業員のデジタルスキルおよびリテラシー向上により、当社の目指すイノベーション戦略の未来像である「RICS:RIETEC Innovation & Challenge for Sustainability」の実現を目指す。
    <重点実施項目>
    ① DX推進体制の強化
    ② デジタルリテラシーの向上とデジタル人財の育成
    【 RICS推進 】
    ③-1 現場のDX
    ③-2 安全追求・技術力向上のDX
    ③-3 バックオフィスのDX

    (2)技術開発戦略
     現場の開発環境を改善することで、これまで以上に技術開発を推進していく。また、新たな開発体制を構築し、革新的な技術開発に挑戦することで、一層の生産性向上、安全性向上、そして現場施工の変革や新たな価値創出を実現する。
    <重点実施項目>
    ① 施工現場の「機械化」・「省人化」・「遠隔化」による変革
    ② 現場従業員考案による技術開発の更なる活性化

    4.カーボンニュートラルとレジリエンス強化による持続可能な社会への貢献
    (1)事業活動におけるカーボンニュートラル戦略
     現代社会において企業活動が環境に及ぼす影響は深刻であり、特に地球温暖化は気候変動や自然災害の増加、生態系破壊などの脅威をもたらしている。当社グループは2050年のカーボンニュートラルを目指し、事業活動における環境負荷低減に取り組む。具体的には、省エネルギー化、再生可能エネルギー導入、合理的なCO2排出量算定とデータ収集基盤の構築を進める。
    <重点実施項目>
    ① 当社グループ環境経営のロードマップ作成
    ② 合理的なCO2排出量の算定(Scope1,2,3)とデータ収集基盤の構築
    ③ 当社グループ施設等への再生可能エネルギー発電設備の増設
    ④ 地域社会への貢献

    (2)再生可能エネルギー関連工事や設備強靭化工事を通じて持続可能な社会の実現に貢献
     当社グループは、脱炭素社会の実現と地域の安全・安心に貢献するため、再生可能エネルギー事業と防災・減災関連事業を推進する。再生可能エネルギー事業では施工実績を積み、既存建物への設備導入や系統用蓄電池設置等を目指す。防災・減災関連事業では、ライフラインの強靭化を支えるべく、当社が得意とする耐震補強工事や電力連系線強化工事を推進することで、災害に強い地域づくりに参画していく。
    <重点実施項目>
    ① 再生可能エネルギー事業への参画
    ② PPA事業者等との連携による新たなビジネススキームの構築
    ③ 交通・通信・エネルギーなどライフラインの強靱化への貢献
    ④ デジタル等新技術の活用による設備強靱化への貢献

    Ⅱ-2.企業価値向上に向けた財務戦略

     当社は2023年12月21日に公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」の中で、取り組むべき課題としてROEの改善と成長戦略の着実な実行を掲げ、企業価値と市場評価の向上に取り組んでいる。
     現在、ROEについては計画策定時の想定ラップを上回る水準で推移しており一定の成果を出している。一方で市場評価(PBR)については依然として低水準(1倍以下)で推移しており、更に踏み込んだ取り組みが必要であることをふまえ、今般の中期経営計画においても財務戦略としての重点実施事項を掲げ、全てのステークホルダーから選ばれる企業となるために、一つひとつの施策に着実に取り組んでいく。
    (1)資本効率の向上(総資本回転率)
     「効率的なバランスシート」の実現は、ROE改善の重要な要素であり、加えてキャッシュフロー改善の効果を生み出し、安定的な配当還元や機動的な投資を実現し得ることをふまえ、適正なキャッシュポジションの確保を目指す。
    <重点実施項目>
    ① バランスシートのリバランス
    ② 営業キャッシュフローの改善

    (2)株主還元の拡充(配当方針)
     当社は株主の皆様への利益還元を経営の重点課題と位置付けており、安定的な配当の継続と機動的な自己株式の取得を通じて、利益還元の拡充と資本効率の向上を目指すことを株主還元の基本方針としている。今般の中期経営計画においてもその基本方針に則った上で、配当還元の水準と安定性の強化に努めていく。
    <重点実施項目>
    ① 配当還元(DOE=3.2%)
    ② 自己株式の取得

    (3)株主とのエンゲージメント向上
     資本コストや株価を意識した経営の実現のためには、株主との対話や財務・非財務両面での情報開示などにより、株主からの理解を深めることが重要であると考え、積極的な株主とのエンゲージメント向上に努める。
    <重点実施項目>
    ① 株主との対話の充実
    ② 非財務情報の積極的な開示

    Ⅱ-3.事業戦略実現に向けた投資戦略

     事業戦略の実現に向けて、デジタル化、人財育成、環境対策など、成長機会と捉えられる分野に積極的に投資を実行し、持続的な成長と収益力強化を目指していく。
     成長投資を機動的に実施していくため、資金は手元資金に限定せず、財務レバレッジを効かせた負債調達も積極的に活用していく。同時に、投資案件ごとに厳格な収益性評価を実施し、市場動向や金利変動などのリスク要因を常にモニタリングすることで、リスクを最小限に抑えながら、着実な成長を実現していく。
    (1)安全関連投資(総資本回転率)
     ICT技術導入、遠隔安パト・サポート体制の充実 等
    (2)施工基盤強化投資
     作業環境の整備、協力会社との関係強化 等
    (3)人的資本関連投資
     採用強化、働きがい向上、多能化強化 等
    (4)新技術・DX関連投資
     研究開発・技術開発推進、ICT技術導入 等
    (5)環境経営・GX関連投資
     再生可能エネルギー関連、環境負荷低減活動 等
    (6)戦略的M&A、資本・事業提携
     施工体制やエリア拡大に向けた戦略的M&A 等

    Ⅲ.経営数値目標

    【 中期経営計画における最終2027年度(第19期)の目標 】
     ●連結売上高   775億円
     ●連結営業利益  65億
     ●ROE      8.0%